蟻のエンサイクロペディア

◆サイズ【女王】約6ｍｍ、【ワーカー】約2~3.5ｍｍ

◆特徴

褐色～黒褐色のシリアゲアリ。野外では頭部と胸部がやや赤味掛かって見える。

前伸腹節刺は近縁のテラニシシリアゲアリなどよりも短く、側方から見て三角形状。
本州では最も観察される黒色系シリアゲアリではないだろうか。

◆コロニー形態
単雌性、樹上営巣性

◆観察地

樹上営巣種で、枯枝内などによくコロニーが見つかる。

枯枝は太い木や竹などよりも細い篠竹などでよく見つかる。
活動期には木の幹などで行列を作っている様子を見る事ができる。

◆結婚飛行
結婚飛行は8～9月にかけて行われ、灯火に大量の有翅個体が飛来することもある。
→ハリブトシリアゲアリの結婚飛行時期

◆飼育

◆ハリブトシリアゲアリの動画リスト

◆サイズ【ワーカー】約2.5~4ｍｍ

◆特徴
褐色〜黒褐色のシリアゲアリの仲間。前胸、中胸は滑らかで光沢がある。
黒色系シリアゲアリの中では珍しい土中営巣性で、生息地域は海岸付近の地域。

◆コロニー形態
土中営巣性

◆観察地
海が近い沿岸地域の自然公園の中で明るく開けた場所の土中に営巣していた。
ワーカー達は巣口から2~3m離れたところに生えていた草の葉の根元に集まっていた。蜜腺から蜜を集めていたのかもしれない。

◆結婚飛行

◆飼育

◆ツヤシリアゲアリの動画リスト

◆サイズ【ワーカー】約2~4ｍｍ

◆特徴
褐色〜黒褐色のシリアゲアリの仲間。
森林内などで見られ、ハリブトシリアゲアリとよく似ている。
ハリブトシリアゲアリよりは黒味が強い印象。
前伸腹柄節は細く棘状。

◆コロニー形態
単雌性、樹上営巣性

◆観察地
森林内の木枠や立木の幹などで見られた。

◆結婚飛行
→テラニシシリアゲアリの結婚飛行時期

◆飼育

◆サイズ【ワーカー】約2~3ｍｍ

◆特徴
褐色〜黒褐色のシリアゲアリの仲間。
前胸側面は滑らかで光沢があり、中胸後方が凹む。
サンプルを採集し十分に接写すれば特徴が分かるが、野外で見れば他の黒色系シリアゲアリとの区別はなかなか難しい。

◆コロニー形態

◆観察地
南西諸島にて観察。立木の幹をワーカー達が歩いていた。

◆結婚飛行

◆飼育

◆クボミシリアゲアリの動画リスト

◆サイズ【女王】約7ｍｍ、【ワーカー】約2~3ｍｍ

◆特徴

黄色タイプのシリアゲアリ。

全国的に広く分布する普通種で、石下や土中に営巣する。
黄色く可愛らしいルックス、多雌性、飼育のしやすさなどから飼育人気の高い種。

◆コロニー形態
多雌性、土中営巣性

◆観察地
土中営巣種の為、地表近くで見つかる事が多い。小型種で目立たないが、地表や林道の木枠などを注意深く観察すると野外観察でも見つける事ができる種。

◆結婚飛行
８月下旬～10月上旬にかけて結婚飛行が行われ、灯火に集まる新女王をしばしば大量に見つけることがある。
→キイロシリアゲアリの結婚飛行時期

◆飼育
飛行後の新女王は越冬した後、春先からコロニー創設を始めることが多い為、飼育の際には女王のみでの越冬管理が難関となる。

土中種の為、石膏巣などを用いた加湿飼育を行う。コロニー化後の飼育は容易で多雌種の為ワーカーは一気に増え、数千匹の大コロニーとなる場合もある。

◆キイロシリアゲアリの動画リスト

◆サイズ【ワーカー】約2ｍｍ

◆特徴
黒〜黒褐色のハダカアリの仲間。
小型で細長いアリで体にほとんど立毛を持たない。
以前は「ハダカアリ」とされていた種が現在ではカドハダカアリ、トゲハダカアリ、ヒヤケハダカアリの3種に分類されているようだ。
トゲハダカアリの場合、後胸溝があり前伸腹節の後方に棘があることが特徴。

◆コロニー形態

◆観察地
日当たりの良い開けた草地の地表をワーカーが徘徊していた。

◆結婚飛行

◆飼育

◆サイズ【女王】約3ｍｍ、【ワーカー】約2ｍｍ

◆特徴
体色は黄色〜黄褐色で頭部は褐色の小型のムネボソアリの仲間。
林床の朽ちたドングリなどから見つかる。

◆コロニー形態

◆観察地
林床に落ちた朽ちたドングリの中に住むアリを探していた際に見つかった。

◆結婚飛行

◆飼育
コロニーが見つかったのは林床の腐葉土層の下のドングリ内であった為、加湿環境を作りかつドングリのような狭い空間を再現するべく「擬似ドングリ石膏巣」を使い飼育を行なった。

◆ヒメムネボソアリの動画リスト

◆サイズ【女王】約3.5ｍｍ、【ワーカー】約2.5~3ｍｍ

◆特徴
黒色の小型フタフシアリ。

比較的ゆっくりと動く。全国的に見られる種。

◆コロニー形態
単雌性、樹上営巣性

◆観察地

樹上性で特に細い枯枝・枯竹によくコロニーが見つかる。

規模の小さい初期コロニーなどはより小さなドングリの中などの空間にも見つかることがある。

◆結婚飛行
6月中旬に結婚飛行後の脱翅雌を採集。同日にはクロヤマアリやルリアリの飛行もあったようだ。
→ムネボソアリの結婚飛行時期

◆飼育

◆ムネボソアリの動画リスト

◆サイズ【ワーカー】約2.5~3ｍｍ

◆特徴
胸部は赤褐色〜褐色、頭部と腹部はより濃色のムネボソアリの仲間。
北海道から九州、屋久島まで生息するとされているが地域個体群間に形態や色彩の変異があるようで、観察した個体は頭部の濃色の傾向が強かった。

◆コロニー形態

◆観察地
標高数百メートルの森林内で臨床を歩くワーカーを観察。特に色の濃い頭部は印象的だった。

◆結婚飛行

◆飼育

◆サイズ【女王】約3ｍｍ、【ワーカー】約2~2.5ｍｍ

◆特徴
黒褐色〜黒色のムネボソアリの仲間。
樹林内に生息し、林床の腐葉土層の下に落ちた朽ちたドングリなどから見つかる。

◆コロニー形態
多雌コロニーも存在する

◆観察地
樹林内の腐葉土層の下に落ちた朽ちたドングリから見つかった。

◆結婚飛行

◆飼育
コロニーが見つかったのは林床の腐葉土層の下のドングリ内であった為、加湿環境を作りかつドングリのような狭い空間を再現するべく「擬似ドングリ石膏巣」を使い飼育を行なった。

◆ハヤシムネボソアリの動画リスト

◆サイズ【女王】約4.5ｍｍ、【ワーカー】約3ｍｍ

◆特徴
体色は黒色で脚、触角、大腮は黄色〜黄褐色のフタフシアリ。
腹柄節が円筒状で角張った印象。

◆コロニー形態
土中営巣性

◆観察地
森林内の斜面の土中に巣が見られた。ワーカーは付近の地表を徘徊していた。
林床に落ちた朽ちたドングリ内に単独で越冬する女王が確認出来た。

◆結婚飛行

◆飼育
◆カドフシアリのブログ記事

◆サイズ【ワーカー】約2.5ｍｍ

◆特徴
頭部は褐色〜赤褐色で腹部は黒色〜黒褐色。
丸み掛かったフォルムが可愛らしい小型のフタフシアリ。
女王を持たずワーカーが産卵して増える単為生殖を行う特殊な生態を持つ。
定まった巣を作らず、石下や倒木下などに野営(ビバーク)を作りながら移動生活を送る。
活動期には数万匹を超える個体が地表や斜面に大行列を作っているのをしばしば見る事ができる。

◆コロニー形態
女王を持たない単為生殖性、定住する巣を作らない。

◆観察地
森林内や都市公園など様々なところで見られる。
延々と続く大行列が目印。

◆結婚飛行
女王不在の単為生殖の為、結婚飛行は行われない。

◆飼育