蟻のエンサイクロペディア

アリの飼育方法

飼育巣とアリを入手したら後は日々の飼育管理

飼育巣とアリの生体を入手できたら後はアリが健全に成長していけるよう日々の飼育管理を行います。

主な作業は以下の二つです。

◆給餌(餌やり)
◆給水

<給餌>
アリに餌を与えます。餌はアリの種類によって違いがありますが、一般的に飼育されることの多いヤマアリの仲間の場合は「蜜エサ(糖分)」と「肉エサ(タンパク質)」を与えます。
頻度は私の場合は週に1~2回程度。もっと多くても問題はありませんが、与えすぎても満腹で食べない場合もあるので私はこのくらいの頻度にしています(食べ残しがあるとカビやダニの発生源となってしまいます)。

また、アリの種類によっては植物のタネを主食とするクロナガアリや、肉食性が強く絶食に弱いハリアリの仲間など食性が異なる場合もあるので、飼育の際にはそのアリの食性や頻度についての最低限の調査は忘れないようにしましょう。

<給水>
飼育巣内に加湿が必要なアリの場合、飼育巣の保水部分(石膏部分など)への給水を行います。
加湿が必要なアリ達は乾燥に弱く、一定のラインを超えるとコロニーが一瞬にして全滅してしまう場合もあるので注意が必要です。
私の場合、頻度は週に1回程度です。

また、乾燥した環境を好む樹上営巣性のアリ達の場合にも飲水として餌場への給水が必要となります。
「蜜エサ」と「肉エサ」を用意
週に1~2回アリ達に与えるだけ
給水に使うビーカーとシリンジ

蜜エサ

私が使用している蜜エサを紹介します。
私が日常的にアリ達に与えている蜜エサは以下を混ぜて水で溶いた混合液です。

ハチミツ、メープルシロップ、スイーツパウダーpro(もしくはスイーツパウダー)

かつて私がアリの飼育を始めたばかりの頃、ハチミツとメープルシロップの混合液をベースとしてバナナなどの果物を潰して混ぜたものを与えていました。やがてAntroomさんで販売されているアントサプリを混ぜるようになり、現在はあり巣 in undergroundさんのスイーツパウダーシリーズを混ぜるようになりました。
アントサプリやスイーツパウダーはそれ自体で水で解けばバランスの研究された蜜エサになるのですが、私の場合「ハチミツとメープルシロップに何かを混ぜる」というスタイルが染み付いてしまっており、今でもそのような方法を取っています。


<エサ皿>
蜜エサを与えるための容器「エサ皿」について私が使用しているものを紹介します。

◆オリジナル給蜜器...あり巣 in undergroundさん
◆連結キャップ...生き物塾小太り先生さんに教えていただいたもの
◆レジン餌皿...ライズさんにいただいたもの
◆ビニールチューブ...チューブ内にエサを入れて飼育巣に接続したり、半分に切ってエサ皿として使うことができる

かつてはペットボトルのキャップを電熱カッターで切ったものをエサ皿として使っていました。
エサ場に合うサイズでアリが溺れにくいものであれば、どんなものでもエサ皿として使うことができます。
ハチミツ&メープルシロップの混合液、スイーツパウダー
混合液を水で溶いて我が家の蜜エサの完成
我が家で使用しているエサ皿

肉エサ

私が使用している肉エサを紹介します。
私が日常的にアリ達に与えている肉エサは以下のようなものです。

ミルワームの缶詰、コオロギの缶詰、シロアリ(ハリアリ用)、ハエの幼虫(ハリアリ用)など

中でもミルワームの缶詰はアリの飼育を始めてからほぼずっと使っている便利な肉エサです。
ボイルされていて且つ生タイプなので、生き餌に抵抗があったり生き餌の管理が負担に感じる方にも大変オススメです。さらに冷凍保存しておけば長期間かけて使い切れるので私は大変重宝しています。

ただし、やはり新鮮な生き餌に勝るものは無いと思います。管理が大変かもしれませんが、可能であれば生き餌も与えてあげると良いでしょう。
私が使用したことのある肉エサは以下のようなものです。

ミルワーム、レッドローチ、デュビアローチ、野外で採集した芋虫や昆虫など。

また、野外で採集した昆虫などはアリに与えた場合悪影響があるなどの情報が散見されるので注意が必要です。
ミルワーム、コオロギ、シロアリ

あると便利な飼育管理の道具

<ピンセット>
給餌の際にエサを掴んだり、餌場のゴミを取り除いたりするのに使います。アリの飼育に関係するものは基本的にどれも小さなものばかりなのでピンセットを一つ用しておくと便利です。
(ただし、私の場合ピンセットをわざわざ買うのが億劫で長年"割り箸"で代用していました...)

<シリンジ>
給水を行うときにつかいます。

<ハサミ>
エサなどを切る際に使います。特に肉エサに関しては生き餌を与える場合アリがダメージを受ける場合があるのでエサを弱らせる必要があるのと、冷凍餌などの場合でもアリにとっては大きすぎる場合があるのでカットできる道具が必要です。

<エサ皿>
蜜エサや飲水を与える際に使います。近年では「給蜜器」という機能的な容器も作られており、我が家でも使用しています。

<木ダボ>
飼育巣に接続されたチューブなどを塞ぐために使います。飼育巣には「今は使わないけど将来別の飼育巣を繋ぐ可能性がある」為に用意されたチューブ接続口が余っている場合があります。木ダボなどを使ってチューブを塞ぐ必要がある為、用しておくと便利です。
(ただし、私の場合は長年ティッシュを詰めてチューブを塞いでいた時期があります...)
あると便利な飼育管理の道具

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